比較経済研究
Online ISSN : 1883-9819
Print ISSN : 1880-5647
ISSN-L : 1880-5647
ウクライナとロシア原油
供給源・ルート多元化をめぐる戦い
藤森 信吉
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 43 巻 2 号 p. 51-60,92

詳細
抄録

ウクライナの「オデッサ・ブロディ」原油パイプラインは,原油供給源および輸入ルート面でのロシア依存解消を目的として建設された。しかし,供給源のロシア依存解消は主要な国内製油所がロシア資本傘下に入ることにより意味を失い,さらにロシア以外の原油供給源が確保できなかったため完工後も稼働に至らなかった。同パイプラインは,2004年,原油輸出の追加ルートを求めていたロシアが原油を供給することにより輸送を開始したが,結果的に当初の目的を果たしたとはいえず,ウクライナはロシア依存を一層深めることになった。

著者関連情報
© 比較経済体制学会
前の記事 次の記事
feedback
Top