抄録
本邦では,本人や家族がもの忘れを懸念し,受診に至るまでの空白の期間は平均13.4か月と指摘されている。認知症は進行性の疾患であるため,早期発見,治療が重要とされているが,受診拒否等の情緒的な課題や受診先の情報に至らないような情報的な課題等の様々な要因があって空白の期間が発生していると考えられる。本稿では,筆者が所属する日本医科大学街ぐるみ認知症相談センターの,本人・家族への支援やかかりつけ医や行政との連携促進の取り組みを挙げ,地域在住高齢者と地域・医療をつなぐ心理職の役割について考えたい。