在宅薬学
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薬学生に対する在宅医療研修プログラムの評価
小林 篤史甲斐 絢子林 秀樹森山 文則渡辺 康介杉山 正
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2020 年 7 巻 1 号 p. 49-56

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抄録

在宅医療の分野で活躍できる薬剤師の養成を目指して,薬学生を対象とした多職種が指導者の在宅医療研修プログラムを開発した.研修は在宅医療に関する医療施設,介護施設を備えた診療所で実施した.研修期間は2 週間とし,研修方法は薬学生が多職種と在宅医療の現場に同行するon-the-job training とした.10 名の薬学生が研修に参加し,すべての研修では医師同行,看護師同行,薬剤師同行を体験し,医療現場では,理学療法士,保健師,ヘルパー,作業療法士等の他職種の業務に立ち会うことができた.研修場所は,患者自宅,在宅関連施設,訪問看護ステーションなど在宅医療に係わるさまざまな施設であった.薬学生が興味を持った研修は,医師同行,看護師同行,薬剤師同行,理学療法士同行などの多職種との同行,看取り,退院前カンファランス,症例カンファランスが高い割合を占めた.研修後のレポートでは,在宅医療のキーワードに生活,信頼関係,多職種連携,他職種の役割,専門性の発揮,情報共有,死が抽出された.研修に対する研修生の満足度,理解度は高く,本プログラムは有用であると評価された.

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© 2020 一般社団法人日本在宅薬学会
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