聴能言語学研究
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楽しみの極北をめざすコラボレーションセラピー:コミュニケーション障害者やその環境と協働し, 響同するSTの役割
林 耕司
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2002 年 19 巻 3 号 p. 236-241

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抄録

失語症・運動性構音障害・精神機能低下を伴うコミュニケーション障害者とその家族が希望をもち,楽しみの極北に生きることができるように,言語聴覚士はコミュニケーション障害の現場を耕し仕事を展開していく必要がある.その際,言語聴覚士はコミュニケーション障害者とそれを取り巻くコミュニケーションパートナー(家族・専門職・ボランティアの方々)と協働し,心を響かせ合いながら具体的・実践的にセラピーを展開し,良い環境を創りあげていかなければならない.この協働=響同作業をコラボレーションセラピーとよびたいと思う.具体的には以下の4つの方策を展開している.(1)芸術活動を通した楽しみの共有.(2)コミュニケーション障害者を支援する会話パートナーの養成.(3)コミュニケーション障害者を取り巻く専門職への教育.つまり,コミュニケーション障害基礎講座と実践講座の開催.(4)失語症友の会の支援とグループ訓練の継続.

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© 日本コミュニケーション障害学会
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