犯罪心理学研究
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少年による殺人に対する大学生の原因帰属―被害者属性と事件状況による要因比較―
板山 昂桐生 正幸
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2010 年 48 巻 1 号 p. 35-49

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抄録

本研究の目的は,少年による殺人に対する大学生の原因帰属について,その被害者の属性と事件状況の違いによる相違の有無を明らかにすることにあった。

大学生312名を調査対象者とし,質問紙調査を実施した。

本研究では,少年による殺人事件において,犠牲者の属性(肉親,同級生,および他人)に基づいた3つの状況を設定し,6つの原因の領域(人格,家庭,友人,学校,地域,社会)を用い原因帰属を検討した。

分散分析の結果,状況による原因帰属の違いが明らかになった。母親が被害者の場合では,家族関係の悪さに特徴的に強く原因帰属を行い,同級生が被害者の場合では,友人とのコミュニケーションの不足と学校の問題に特徴的に強く原因帰属を行っていた。さらに,他人が被害者の場合では,少年の人格問題および家族関係の悪さに特徴的に強く原因帰属を行うことが明らかとなった。

本研究によって,犠牲者属性による状況の違いでの,少年による殺人に対する原因帰属の相違点が明らかとなった。

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© 2010 日本犯罪心理学会
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