犯罪心理学研究
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性犯罪を対象とした罪種間の移行性と各種窃盗犯罪との関連
財津 亘
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2018 年 56 巻 1 号 p. 77-88

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抄録

本研究では,性犯罪者519名が敢行した性犯罪の罪種間における移行性やそれら性犯罪と各種窃盗犯罪との関連について検討することを目的とした。性犯罪者519名が敢行して検挙された各種性犯罪ならびに各種窃盗の犯罪経歴を基に,データセット(519名×15犯罪種別)を作成し,分析を行った。対応分析ならびに階層的クラスター分析の結果によると,「犯行場所」と「身体的接触の有無」の2次元が抽出され,性犯罪は,それら2つの次元に沿って①接触型(屋内強姦,屋外強姦,強制わいせつ,年少者わいせつ),②非接触型(露出,のぞき),③窃盗型(色情盗)に分類された。また,窃盗犯罪は,①侵入窃盗(空き巣,忍込み,出店荒し),②乗物盗(自動車盗,オートバイ盗,自転車盗),③非侵入窃盗(車上ねらい,万引き)に分類された。さらには,強制わいせつから屋外強姦,露出から年少者わいせつへの移行性が示唆された。そのほかにも,接触型性犯罪と乗物盗の間に相対的に関連性がみられたほか,屋内強姦は,侵入窃盗との関連がみられた。非接触型性犯罪は,窃盗犯罪との関連が低いことを示唆した。

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© 2018 日本犯罪心理学会
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