日本外科系連合学会誌
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症例報告
治癒切除しえた十二指腸第3部癌の1例
松津 賢一池 秀之湯川 寛夫和田 修幸利野 靖益田 宗孝
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2010 年 35 巻 1 号 p. 39-44

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抄録

 症例は46歳の女性.心窩部痛,腹部膨満感を主訴に近医を受診.抗潰瘍薬を処方されたが嘔吐が出現し,当科に入院.腹部CTで十二指腸第3部の全周性の壁肥厚と口側十二指腸および胃の拡張を認めた.上部消化管造影検査では中心に陥凹を伴う隆起性病変と狭窄を認めた.上部消化管内視鏡検査では十二指腸第3部に全周性の腫瘍と狭窄を認め,生検で中分化腺癌と診断された.十二指腸第3部の原発性十二指腸癌の診断で,膵頭十二指腸切除術を施行.切除標本では十二指腸第3部に全周性,45×35mmの2型腫瘍を認め,病理組織学的には中分化腺癌,深達度は ssで,リンパ節転移は認められなかった.術後経過は良好で,術後2年5カ月間再発は認められていない.

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© 2010 日本外科系連合学会
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