日本外科系連合学会誌
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症例報告
グリセリン浣腸により血尿,陰嚢浮腫, 肛門会陰部皮膚潰瘍を生じた1例
原田 知明森内 孝喜原田 繁
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2011 年 36 巻 6 号 p. 1015-1019

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抄録

 2010年11月,便秘の治療目的にてグリセリン浣腸約50mlを施行された.直後に強い肛門部痛を認め,約1時間後に肉眼的血尿(ワインカラー),陰嚢の腫大,発赤が出現し,当院受診,当初はグリセリン浣腸の微小な肛門粘膜損傷部からの吸収によるアナフィラキシーショックの可能性を疑い,ステロイド治療を施行した.第2病日には肉眼的血尿は消失し,第6病日に退院となった.第9病日頃より肛門会陰部皮膚潰瘍が出現したが,保存的治療により第45病日頃に消失した.第79病日の大腸内視鏡にてanal verge直口側に潰瘍瘢痕を認めた.グリセリン浣腸による血尿について,若干の文献的考察を付加して報告する.

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© 2011 日本外科系連合学会
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