日本外科系連合学会誌
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症例報告
腹腔鏡下高位前方切除術を行った直腸S状部子宮内膜症の1例
石﨑 哲央林田 康治久田 将之土田 明彦
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2012 年 37 巻 6 号 p. 1142-1146

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抄録

症例は26歳,女性.下血,下腹部痛で発症しホルモン治療を5カ月間行ったが軽快せず手術目的で入院した.骨盤CT,MRIで直腸S状部に左卵巣と接する腫瘤性病変を指摘され,注腸検査で直腸S状部に粘膜下腫瘍様陰影を認めた.大腸内視鏡による生検で直腸S状部子宮内膜症と診断され手術を行った.術中所見では,深部子宮内膜症によりダグラス窩は完全閉塞しており剝離操作に難渋したが,手術手技の工夫により腹腔鏡下高位前方切除術を行った.病理組織結果は直腸S状部子宮内膜症と診断された.術後11日目,経過良好で退院し,6カ月間再発を認めていない.深部子宮内膜症を合併した直腸S状部子宮内膜症に対して腹腔鏡下高位前方切除術を行った症例を経験したので文献的考察を加え報告する.

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© 2012 日本外科系連合学会
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