日本外科系連合学会誌
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症例報告
局所再発を繰り返した大腸neuroendocrine carcinomaの1例
國重 智裕向川 智英石川 博文高 済峯渡辺 明彦関川 進
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2013 年 38 巻 4 号 p. 869-874

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抄録

症例は62歳,女性.左側腹部痛・発熱のため近医を受診した.腹部CTで横行結腸に腫瘤を認め,膿瘍形成も認められたため,当院で緊急手術を行った.病理診断はneuroendocrine carcinoma(以下,NECと略記)であった.術後補助化学療法としてXeloda療法を行ったが,術後1年10カ月目に局所再発をきたし摘出術を施行した.術後にXELOX療法を開始したが,再手術後6カ月目に局所再々発を認め,再度摘出術を施行した.全経過において遠隔転移は認められず,病理組織像は全て同一であった.再々手術後に他院へ転院となったが,転院先でも同部位に局所再発を認めた.NECは原発性大腸癌の約0.2%1)を占めるのみと稀で,早期から遠隔転移を伴う極めて予後不良な疾患である.今回われわれは局所再発を繰り返した大腸NECの1例を経験したので文献的考察を含め報告する.

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© 2013 日本外科系連合学会
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