抄録
症例は67歳男性.急性胆囊炎に対して腹腔鏡下胆囊摘出術を施行し,その際胆囊壁を損傷し腹腔内に小結石が落下したため可能な限り回収した.半年後の造影MRI検査で肝右葉辺縁にT1,T2共に内部に淡いhigh intensity areaが混在した38mm大の腫瘤を認めた.肉芽腫やSFT,血腫などの良性病変を疑い経過観察としたが,さらに半年後のMRI検査では52mm大と増大傾向にあることから悪性腫瘍の可能性も考慮し手術加療の方針とした.腫瘤は右横隔膜下にあり,肝臓,横隔膜との境界が不明瞭であったため腫瘤とともに横隔膜,肝臓を合併切除した.病理組織学的検査では悪性所見は認めず,腹腔内落下結石を核とした右横隔膜下肉芽腫の診断であった.腹腔内落下結石を核とした腹腔内肉芽腫を形成した稀な1例を経験したため,文献的考察を加え報告する.