2015 年 40 巻 5 号 p. 1030-1036
症例は79歳女性.2013年10月に検診異常の精査で胃gastrointestinal stromal tumor(以下,GIST)と直腸カルチノイドと診断され,当院紹介受診した.腹腔鏡下胃楔状切除・直腸超低位前方切除術,回腸人工肛門造設術を施行した.手術時間は4時間47分,出血量は15mlだった.病理組織学的検査の結果,胃:免疫染色でCD34(+),c-kit(+),Ki-67 labeling index 1~3%,でありIntermediate risk(modified-Fletcher分類)のGISTと診断した.直腸:免疫染色でsynaptophysin(+),chromogranin A(+),CD56(+)でありカルチノイドと診断した.胃GISTと直腸カルチノイドに対して,ポート位置や小開腹創の位置などを工夫して腹腔鏡下同時手術を施行しえた.