日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例報告
交換用ボタン型胃瘻キットを用いた小開腹下胃瘻造設術の経験
小澤 修太郎狩野 契鋤柄 稔
著者情報
キーワード: 胃瘻, 小開腹
ジャーナル フリー

2015 年 40 巻 5 号 p. 863-868

詳細
抄録

【目的】PEG施行困難な3例に対し交換用ボタン型胃瘻キットを用いた小開腹胃瘻造設術を経験したので報告する.【症例】症例1は70歳男性で放射線化学療法治療後の全周性狭窄を伴う食道癌である.症例2は86歳女性で脳梗塞後遺症に伴う経口摂取困難症例で著明な頸部屈曲,亀背を認めた.画像上,胃前面に横行結腸が存在していた.症例3は80歳女性でアルツハイマー型認知症に伴う食事摂取困難症例である.S状結腸軸捻転に伴うイレウスのため当科に紹介された.画像上,胃前面にS状結腸が存在していた.この3例に関して小開腹胃瘻造設とした.【手技】全身麻酔下,上腹部に5cmの小開腹をおいた後,胃前壁に左側腹部より交換用イディアルボタンを経腹直筋的に挿入し固定,腹壁と胃壁挿入部を吸収糸で補強した.【結果】手術時間は20~35分で術後経過は良好であった.【まとめ】本法は特殊な器具を必要としないため簡単な方法で,ボタン式のため日常管理の上でも利点ありと考えた.

著者関連情報
© 2015 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top