2016 年 41 巻 1 号 p. 30-35
目的:GelPOINT® Path(Applied Medical社)を肛門管に装着し,下部直腸癌に対して経肛門的低侵襲手術を2例経験した.
方法:全身麻酔下にGelPOINT® Pathを肛門管に装着し,LigaSureTM Vにて腫瘍を一括全層切除し,十分に洗浄後に欠損部は開放創のままとした.
結果:手術時間は69分~110分,出血量は少量で,術後入院日数は7日であった.術後9~12カ月経過しているが局所再発および遠隔転移は認めておらず,肛門機能に問題は認めていない.
結語:症例を集積し,長期のフォローアップが必要であるが,GelPOINT® Pathを用いた経肛門的低侵襲手術は有用な手術手技である.