日本外科系連合学会誌
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症例報告
小腸軸捻転をきたした小腸GISTの1例
光星 翔太浅香 晋一今泉 理枝伊藤 嘉智小池 太郎吉松 和彦
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キーワード: 小腸腫瘍, GIST, 小腸軸捻転
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2018 年 43 巻 1 号 p. 50-55

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抄録

症例は85歳,女性.下腹部痛を主訴に近医受診,小腸捻転の診断で当院救急搬送となった.腹部造影CTで右下腹部に4.8×3cm大の不整形腫瘤が存在し,上腸間膜動静脈を中心に腸間膜の動静脈が螺旋を描くwhirl signを認めた.小腸腫瘍による小腸軸捻転の診断で緊急手術となった.開腹すると,Treitz靭帯より60cm肛門側の空腸に,壁外に発育する4.5cm大の腫瘍が存在し,上腸間膜動静脈を回転軸として時計回りに720度捻転していた.虚血所見は認めず,捻転を解除し,腫瘍を含め約5cmの小腸部分切除術を施行した.病理組織学的検査の結果,c-kit強陽性,CD34,SMA弱陽性,S-100,desmin陰性,核分裂像は2/50High Power Fields(HPFs)でlow grade malignancyの小腸GISTと診断した.小腸GISTが,小腸軸捻転に関与したと考えられる稀な症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.

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© 2018 日本外科系連合学会
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