日本外科系連合学会誌
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臨床経験
胃粘膜下腫瘍に対する経臍的単孔式腹腔鏡下胃内手術の経験
目黒 創也多賀谷 信美内田 まゆか平野 康介斎藤 一幸山形 幸徳菅又 嘉剛大矢 雅敏
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2018 年 43 巻 4 号 p. 560-565

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抄録

「はじめに」胃粘膜下腫瘍に対し経臍的単孔式腹腔鏡下胃内手術を経験したので報告する.

「対象および方法」最近2年間に施行した4例(平均年齢66歳,男性3例,女性1例)を対象にした.方法は,臍部創下の胃前壁に小切開を加え,ポート3本を挿入した手袋法で行った.腫瘍の位置を確認し,自動縫合器にて腫瘍切除を行い,切除標本は臍部より摘出した.

「結果」全例,手術は完遂され,平均手術時間および出血量は101.7分,8mlで,術後胃内の切離線および胃粘膜より出血が認められたが,経口内視鏡下に止血および自然止血していた.平均術後在院期間は8日であった.平均腫瘍径は32mmで,病理組織学的にはGISTが3例,Leiomyomaが1例であり,平均術後観察期間は17.5カ月で,再発や転移は認められない.

「結語」経臍的単孔式腹腔鏡下胃内手術は胃内操作での出血に注意すれば,安全に施行可能な術式と思われた.

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© 2018 日本外科系連合学会
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