日本外科系連合学会誌
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症例報告
抗血栓療法中に発症した腹腔内出血を伴う出血性胆囊炎の1例
新庄 英梨子堀岡 宏平中本 充洋長尾 祐一山内 潤身中島 洋北原 光太郎中村 賢二八谷 泰孝福山 時彦
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2018 年 43 巻 5 号 p. 905-909

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抄録

症例は73歳の男性.脳梗塞に対しアスピリン,深部静脈血栓症に対しエドキサバンを内服中であった.心窩部痛があり,血液検査で軽度の貧血と炎症反応の上昇を認めた.造影CT検査で出血性胆囊炎が疑われ緊急手術を施行した.腹腔内には血性腹水を多量に認めた.胆囊は緊満し壁が肥厚しており,体部に穿孔部位を認めた.活動性の出血はなかった.腹腔鏡下に胆囊を摘出した.病理組織学的検査では胆囊体部の穿孔部周囲に出血,フィブリン析出を伴う全層性の壊死を認めた.

胆囊炎に胆囊出血を合併することは稀であるが,本症例のように抗血栓療法中の患者における胆囊炎を診療するにあたっては,胆囊出血や腹腔内出血の発症を念頭に置く必要がある.

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© 2018 日本外科系連合学会
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