日本外科系連合学会誌
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症例報告
腹腔鏡下多発肝囊胞術後の胆汁瘻に対してIVR治療が著効した1例
飯田 健二郎鈴村 和大岡田 敏弘波多野 悦朗藤元 治朗
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2019 年 44 巻 6 号 p. 1110-1116

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抄録

症例は65歳の女性で,多発肝囊胞の経過観察中に腹部膨満感の増悪を認めたため精査したところ,CTにて囊胞の増大を認めたため外科紹介.腹腔鏡下肝囊胞開窓術を施行した.囊胞内容液に胆汁の混入が疑われたが,胆汁漏出部は確認できなかった.術翌日にドレーンより胆汁様排液を認めたため,DIC-CTを施行したところ,囊胞内腔への造影剤流入を認め,胆管交通性肝囊胞と診断した.ドレーンによる保存的加療では胆汁瘻の軽快傾向を認めないため,第13病日にEndoscopic retrograde biliary drainage(以下ENBD)チューブを留置したところ,胆汁漏出は止まり退院となった.

術後に胆管交通性肝囊胞と判明した術後胆汁瘻症例に対し,Interventional Radiology(以下IVR)治療にて治癒しえた症例を経験したので報告する.

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© 2019 日本外科系連合学会
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