2025 年 50 巻 1 号 p. 30-36
症例は40歳女性.嘔吐にて近医受診し,精査加療目的に当院消化器内科に紹介受診された.CTで境界不明瞭な腫瘤性病変を左下腹部に認め,口側腸管が拡張していた.イレウス管を留置して消化管造影検査を施行したところ,回腸遠位部で狭窄像を認め,同部が責任病変の腸閉塞と診断した.保存的加療を開始し,一旦軽快してイレウス管を抜去したが抜去3日後に腸閉塞が再燃した.短期間に腸閉塞を繰り返していることから,手術目的に外科紹介となり,単孔式腹腔鏡下回腸部分切除術を施行した.回盲弁から10cm口側に白色調の結節を認め,同部位で腸管が屈曲して癒着,狭窄していた.同部を切除し,機能的端々吻合で再建した.病理組織学的検査で,回腸壁に大小の内膜腺成分が散在しており,回腸子宮内膜症と診断した.
回腸子宮内膜症は若年女性に好発する良性疾患であり,整容性に優れる単孔式腹腔鏡手術は良い適応と考える.