2025 年 50 巻 1 号 p. 44-49
症例は76歳女性.横行結腸癌,肝転移に対して開腹結腸右半切除術を施行し,術後化学療法を複数施行したが,多発肝転移や肝門部リンパ節転移に加え腹膜播種転移を認め,癌性疼痛コントロール目的に入院緩和治療の方針となった.腹部CT検査で腹膜播種転移による小腸狭窄像と狭窄部近位側の小腸拡張による胃圧排像を認め,緩和治療および減圧目的の内視鏡的胃瘻造設術による経胃イレウス管を留置した.経胃イレウス管により症状は改善し,経口摂取可能となり,ストレス軽減につながった.在宅医療を希望され,在宅ケアへ移行後,経胃イレウス管挿入後106日目に永眠された.経皮内視鏡的胃瘻造設術は切除不能胃癌による幽門狭窄や癌性腹膜炎による上部小腸閉塞などに対し減圧目的に造設される例がある.再発進行大腸癌症例に対して減圧目的の経胃イレウス管留置を1期的に行い,QOL向上をはかることができた症例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.