日本外科系連合学会誌
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埋入異物摘出術を施行した豊胸術後合併症の検討
出口 宝竹島 義隆富田 秀司中本 尊草野 敏臣武藤 良弘戸田 隆義
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1994 年 19 巻 4 号 p. 13-20

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抄録

乳房の形成術 (異物埋入術) に合併した豊胸術後乳癌, 乳房の発赤, 硬結, 変形などの炎症様変化および人アジュバント病を経験した。いずれも異物除去術を必要とした。そこで, 各々の疾患における乳房内異物埋入術の問題点と摘出の適応について検討した。その結果, 1.乳癌との因果関係については言及できないが, 埋入異物が癌の早期発見の障害になり, 早期診断には埋入方法に適した検索と積極的な病理組織学的検索を行うことが肝要であると考えられた。2.異物埋入術後症例ではこれら合併症を念頭においた厳重な管理を行い, 合併症の疑いがある場合およびシリコンジェルインプラントでシリコンの漏出が認められる場合は積極的に摘出を行うべきであると考えられた。

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