日本外科系連合学会誌
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泌尿器科領域におけるレーザー治療の現況と展望
合谷 信行東間 紘
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キーワード: レーザー, 泌尿器科領域
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1995 年 20 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

泌尿器科領域におけるレーザーの応用については, レーザーメス, レーザー内視鏡, 経尿道的レーザー焼灼療法, 光線力学的治療, レーザー吻合術など種々の治療法が検討されてきた。しかしいずれの方法も, 現時点では従来の手技に優る地位を確立していないのが現状である。 われわれはパルスダイレーザーを用いて尿管結石破砕術を行い, 40例中38例, 95%に有用性を認めた。また最近は前立腺肥大症に対する治療として, レーザーを用いた新しい治療法が登場した。経尿道的超音波ガイド下レーザー前立腺切除術, 内視鏡下レーザー前立腺切除術 (VLAP), 前立腺バルーンレーザーサーミアである。VLAPは偏光レーザーファイバーを用いてNd : YAGレーザーを照射し, 肥大した前立腺を蒸散凝固させるものである。われわれは13例にVLAPを施行し, 観察期間は短いが, 術後3カ月の評価では有用であると考えられた。 レーザーは将来性を秘めた光であり, 今後各治療法の改良とともに新たな技術の開発が期待される。

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