日本外科系連合学会誌
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Day Surgeryにおける抗菌薬使用の実際
小外傷術後の抗菌薬使用に関するアンケート調査より
山内 仁小林 英司藤村 昭夫宮田 道夫
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1997 年 22 巻 6 号 p. 918-921

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抄録

小外傷縫合術後の感染予防に経口抗菌薬の投与が行われているが, 投与の是非や至適投与日数などに関しては一定の見解は得られていない。自治医大卒業の外科系医師で全国の医療施設に勤務する医師を対象に, 小外傷縫合術後の経口抗菌薬投与の実体についてアンケート調査を行い, 117名より回答を得た。小外傷の術後に全例抗菌薬を投与していると答えたものは48.7%, ケースバイケースとしたものは50.4%であった。第一選択薬はセフェム系が72.6%であった。投薬の判断基準は肉眼所見で決めているものが多く, また投薬日数は3日間が約70%であった。副作用は薬疹や胃腸障害が多かったが, 横紋筋融解症, 全身痙攣, 肺水腫などの重篤な副作用の経験者もみられた。小外傷に対する予防的抗菌薬投与は, 有効性ならびに副作用防止の面から無作為割り付け試験が必要と思われた。

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