日本外科系連合学会誌
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胃粘膜癌に対する胃局所切除術における術前診断, 適応, および手技上の問題点
弓場 健義中尾 量保仲原 正明清本 徹馬李 千万中森 靖久保 光彦
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1998 年 23 巻 1 号 p. 22-27

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抄録

胃粘膜癌に対する胃局所切除術ならびに分節切除術における術前診断, 適応, 手技上の問題点について検討した。術前に超音波内視鏡 (EUS) を施行した胃癌手術例141例およびm癌切除例182例を対象とした。EUSにて深達度Mと診断したもの (n=57) の組織学的深達度はm : 47例 (82.5%), sm : 10例であった。smであった10例中, sm1は5例であり, 潰瘍合併1例, por, sig各1例であった。リンパ節転移を伴うm癌症例は潰瘍を伴うIIc病変に認められた。m癌でpor, sig, 潰瘍合併例を除いた隆起型40mm以下, 陥凹型30mm以下のものを適応とし胃局所切除15例, 分節胃切除2例を施行し, 隆起型30mm以下, 陥凹型20mm以下のものを適応とし腹腔鏡下胃局所切除5例を施行した。断端癌陽性は5例あり, 術中の病変範囲の把握の不十分さおよび自動縫合・切離器による切除時の粘膜のずれが原因と考えられた。

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