抄録
症例は65歳・男性。1985年9月, 某医で肝細胞癌の診断にてTAE施行後肝部分切除術 (S4) を施行された。1987年3月, 胸骨後部異和感を主訴に当科受診。食道癌の診断で右開胸開腹食道亜全摘術を施行した。病理診断は高分化型扁平上皮癌で組織学的ステージIIであった。さらに1988年, 血疾が出現し再入院となった。喀疾細胞診ではclassV, adenocarcinomaの診断を得た。保存的治療施行したが6ヵ月後に癌性胸膜炎にて死亡した。食道癌の治療成績の向上に伴い重複癌症例の増加が予測されるが, 3重複癌は極めて稀であり文献的考察を加えて報告する。