1999 年 24 巻 5 号 p. 736-742
壁深達度T2の胃癌組織52例を用いて癌の増殖, 転移機構に関与していると考られている血管内皮増殖因子 (VEGF), その受容体である (Flk-1, Flt-4) の免疫組織化学的な発現と, 腫瘍血管密度及び臨床病理学的背景因子との関連性を検討した。VEGF, Flk-1, Flt-4の発現は, リンパ管浸潤, 静脈浸潤, リンパ節転移陽性症例に明らかに高く認められ, 組織学的進行度が高度な症例に高く認められたVEGF及びFlk-1, Flt-4の発現は, 胃癌のリンパ行性転移を反映する1つの指標となりうることが示唆された。