日本外科系連合学会誌
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吊り上げ式腹腔鏡下胆嚢摘除術における側面からの術中胆道造影の検討
松岡 伸一秦 温信真鍋 邦彦安念 和哉松久 忠史佐野 文男
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1999 年 24 巻 6 号 p. 861-864

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抄録

当科では平成8年7月以降, 腹腔鏡下胆嚢摘除術 (LC) を気腹法から腹壁皮下吊り上げ法に変更した。術中胆道造影は当初は正面から行っていたが, 平成10年からは側面からの造影を行っているので, その有用性について報告する。平成10年1月から平成11年1月までにLCを行った患者のうち46例 (男性23例, 女性23例, 平均年齢53.6歳) に側面からの術中胆道造影を行った。胆嚢管から造影チューブを挿入後, 患者の右側腹部にフィルムを置き, 約10°頭低位として左側から撮影した。46例中41例 (89.1%) は良好な造影所見が得られた。5例 (11.6%) は初回の造影で造影不良であったが, うち2例は頭をさらに低位にした再検で良好な所見が得られた。正面からの造影では造影時の吊り上げハンドルや皮下に刺入したワイヤーの着脱が煩雑であるが, 側面からの造影は簡便でありかつ良好な胆道像を得ることが可能であり, 有用な方法と考えられた。

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