1999 年 24 巻 6 号 p. 905-909
下腿における骨折は軟部組織が少ないために開放骨折となりやすく, 治療に難渋する症例も少なくない。今回, Gustilo III型下腿骨開放骨折に対し, 早期に血流豊富な軟部組織による骨折部の被覆を目的に治療を行った。対象となった15例は受傷後早期にデブリドマンを行い, その後平均5.4日目 (0~28日目) に局所皮弁や植皮を併用した筋弁あるいは筋皮弁による骨折部の被覆を行った。1例は感染を認めたが, 他に深部感染は認めず良好な結果を得た。Gustilo III型下腿骨開放骨折に対する早期の軟部組織による骨折部の被覆は深部感染予防に対して有効であり, 積極的な再建が望まれる。