2000 年 25 巻 5 号 p. 778-780
症例は49歳男性。腹痛を主訴として受診。来院時, 腹部は著明に膨隆し, 強い腹痛・反跳痛を認め, 腹部X線検査で腸閉塞と診断され入院となった。入院2日目のX線検査で横隔膜下にfree airをみとめ, 消化管穿孔性腹膜炎の診断で緊急手術を施行した。術中所見では, 44歳時に施行された右半結腸切除術が側々吻合で再建されており, 結腸Blindloopの先端部から魚骨が突出していた。手術は穿孔部を含め, Blind loopを切除した。消化管穿孔の術前診断を行なう場合, 異物による穿孔の可能性も考慮した問診・検査を施行し, 手術を行う必要があり, また, 消化管吻合はその原則にのっとり, 可及的に端々吻合で行うべきであると考えられた。