日本外科系連合学会誌
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心臓手術において心臓外科医と麻酔科医のよい関係を築くために
稲田 英一
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2001 年 26 巻 5 号 p. 1227-1229

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抄録

心臓手術においては, 術前, 術後管理を含め, 外科医, 麻酔科医, 循環器内科医, ナース, コメディカルの強力なチームワークが必要である.術前, 術中, 術後に渡る一貫した管理方針を貫くために, 外科医と麻酔科医の緊密なコミュニケーションは極めて重要である。麻酔科医は患者の術前状態や予定術式について, 心臓外科医や循環器内科医から情報を得, 術中管理のポイントを把握する。人工心肺管理においては, 体温, 血液, 電解質管理などについてのコンセンサスを得ておく。人工心肺からの離脱を含め, 術中血行動態管理を麻酔科医が中心になり行えば, 心臓外科医は術野に集中できる。経食道心エコー (TEE) の果たす役割も見逃せない。術中に麻酔科医が得た多くの情報を, 心臓外科医に的確に伝達し, 術後管理にも役立てるようにすることも重要である。心臓外科医と麻酔科医の信頼関係は, 心臓手術成功のための重要なキーである。

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