日本外科系連合学会誌
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早期喉頭癌に対する顕微鏡下レーザー手術
岩武 博也富沢 秀雄信清 重典加藤 功肥塚 泉
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2001 年 26 巻 6 号 p. 1393-1397

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抄録

当科における早期喉頭癌に対するレーザー手術の成績を検討した。対象は1989年から1998年までの10年間に初回治療を行った声門癌T1症例52例である。局所制御率はレーザー手術群 (13例) 84.6%, レーザー手術+放射線治療群 (7例) 100%, 放射線治療群 (32例) 93.8%であった。5年喉頭保存率, 5年生存率は3群とも100%であった。レーザー手術の最も良い適応は, 腫瘍が前連合や声帯突起に浸潤していないT1症例であることが確認された。腫瘍のボリュームが大きい場合はレーザー手術により減量術後, 放射線治療を追加するのが望ましい。再発時, 腫瘍が声帯に限局していればレーザー手術の適応となる。以上より, レーザー手術は早期喉頭癌において有用な治療法の一つであり, 放射線治療と比べ治療期間が短く合併症も少ないなどQOLを向上させる手段になりうると考えた。

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