日本外科系連合学会誌
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腹腔鏡下脾臓摘出術後に門脈, 脾静脈血栓症を合併した1例
池田 正孝関本 貢嗣瀧口 修司山本 浩文池永 雅一川端 良平林 昇甫辻 慶久門田 守人
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2001 年 26 巻 6 号 p. 1497-1500

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抄録

腹腔鏡下脾臓摘出術後に門脈, 脾静脈血栓症を合併した1例を経験したので報告する。症例は31歳女性。平成12年3月感冒薬服用後紫斑・口腔内出血出現し, 近医にて血小板減少性紫斑病と診断された。プレドニン療法抵抗性のため, 平成13年4月腹腔鏡下脾臓摘出術施行した。手術時間は66分, 出血量極少量で術中問題点はなかった。術後4日目にCRP上昇を認めたため緊急造影CT施行。脾静脈内と門脈左枝に造影不良部位を認め血栓症と考えられた。超音波ドップラー検査にても門脈左枝の血流低下が認められた。至急抗凝固療法を開始した。術後11日目まで肝酵素の上昇を認めたがそれ以降正常化したため退院し抗凝固療法を外来にて続け, 3カ月後のMRIにて門脈内血栓は消失した。脾静脈・門脈血栓症は進行すると腸間膜静脈血栓症となり非常に重篤な病態である。非特異的症状で発症することがあり, 腹腔鏡下脾臓摘出術後は脾静脈・門脈血栓症を念頭に置いた術後観察が必要と考えられた。

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