日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
4年半の経過観察の後, 摘出手術を施行した胃gastrointestinal stromal tumorの1例
塩崎 哲三安藤 隆夫山本 哲朗松田 光弘北島 政幸鶴丸 昌彦
著者情報
キーワード: 粘膜下腫瘍
ジャーナル フリー

2002 年 27 巻 4 号 p. 650-653

詳細
抄録

症例は53歳, 女性。1995年4月, 胃癌検診において異常を指摘された。5月23日胃内視鏡検査を施行し, 胃角部後壁に粘膜下腫瘍を認めた。年に一回, 内視鏡検査によって経過観察をしていた。1999年12月の検査で増大傾向があり, また形態が変化してきたため, 2000年1月開腹にて摘出術を施行した。腫瘍は漿膜下に存在し, 粘膜には達していない粘膜下腫瘍であった。摘出標本は3.0×2.5×2.0cm大の充実性の腫瘍で, 免疫染色を含む病理組織学的所見よりgastrointestinal stromal tumor (GIST) と診断した。胃粘膜下腫瘍は日常, 内視鏡検査で発見されることが多い疾患である。しかし, 大きさが小さく経過観察される事も多い。諸家の報告によれば3~5cmを超えると悪性の頻度が高くなり, 摘出術の適応と言われている。今回われわれは, 大きさよりも, 形態が変化してきたために摘出術を行うことができた胃GISTの症例を経験したので報告する。

著者関連情報
© 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top