日本外科系連合学会誌
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CA19-9産生性脾嚢胞の1例
小澤 修太郎大畑 昌彦篠塚 望松本 隆小川 展二宮澤 光男俵 英之上笹 直小山 勇
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キーワード: 脾嚢胞
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2002 年 27 巻 4 号 p. 695-698

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抄録

症例は35歳,女性。1997年11月, 左季肋部痛にて当院受診。画像検査にて脾上極に径10×13cm大の嚢胞を認めた。血液検査においてcarbohydrate antigen 19-9 (CA19-9) が529U/mlと高値を示した。翌日, エコーガイド下に嚢胞の穿刺を施行し縮小を認めた。その後, 再び嚢胞の増大を認めたため手術となった。1998年1月, 脾摘出術を施行。摘出脾臓は780gで嚢胞の大きさは10×8×9cm大で単胞性, 内容液は500mlであった。CA19-9の免疫組織学的染色を行い嚢胞上皮でのCA19-9の強陽性を認めた。脾嚢胞は稀な疾患であるが画像検査の発達とともに年々増加している。CA19-9と脾嚢胞との関係はまだ不明瞭であるが, 本症例の治験経過を中心に若干の考察を加えて報告する。

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