日本外科系連合学会誌
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高齢者大腸癌の臨床的検討
野口 肇神山 博彦須田 寸実人岡田 豪落合 匠西村 和彦杉谷 通治
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2002 年 27 巻 6 号 p. 865-869

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抄録

80歳以上の大腸癌手術症例における臨床病理学的背景因子, 術前併存症, 術後合併症などについて比較検討した。1990年8月から1997年12月までに当科で経験した大腸癌手術症例のうち, 80歳以上の48症例を後期高齢者群, 70歳代の140症例を前期高齢者群として比較検討した。後期高齢者群では癌占居部位が右側結腸である症例が有意に多く認められた。後期高齢者群ではphysical statusがclass 3, 4である症例が有意に多かった。術前併存症は後期高齢者群で有意に多く認められた。stage IIIa以上の進行癌の占める割合, 手術の根治度, 術後合併症の発生率, 術後平均在院日数に関しては両群間に有意差は認められなかった。以上より後期高齢者大腸癌症例でも根治手術が十分可能であった。

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