日本外科系連合学会誌
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Delorme手術変法の有用性
ホワイトヘッド肛門と下部直腸腫瘍
保田 尚邦渡辺 誠草野 智一角田 明良草野 満夫
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2002 年 27 巻 6 号 p. 898-901

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抄録

Delorme手術は過剰となった直腸粘膜を切除し縫縮された筋層に粘膜を再固定することから肛門を挙上する効果, また広範囲の粘膜を切除する効果がある。これらの効果に注目し初発および再発したホワイトヘッド肛門と下部直腸腫瘍の治療に応用し良好な効果を得た (Delorme手術変法) 。術後疼痛が少ないため, ホワイトヘッド肛門に対しては長軸方向には2cm幅で病変よりやや大きめにもしくは全周性に粘膜切除することが望ましいと考えられた。また, 歯状線近傍の良性腫瘍もしくは粘膜内癌で, 亜-全周性に切除を必要とするときにDelorme手術変法が有効と考えられた。粘膜下層に20万倍ボスミン加生理食塩水を注入することは止血効果とともにlifting sign陰性を確認しながら切除することとなり, Delorme手術変法の利点であった。Delorme手術変法は, その安全性と効果から判断して, 今後さらに症例を重ね長期経過観察する価値あるものと考えられた。

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