日本外科系連合学会誌
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大腸癌術後のサイトカインの推移に対してH2受容体拮抗剤が及ぼす影響についての検討
西村 元一尾山 勝信宮下 知治二宮 致北川 裕久伏田 幸夫藤村 隆萱原 正都太田 哲生三輪 晃一
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2003 年 28 巻 2 号 p. 154-158

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抄録

術後の上部消化管出血抑制の目的で投与されるH2受容体拮抗剤のうちranitidineはin vitroにて活性化好中球や炎症性サイトカインを抑制する作用を有するとされている。今回大腸癌手術症例20例を2群に分け術後にranitidineもしくはfamotidineの投与を行い, 術後の血中サイトカイン等の推移に及ぼす影響について検討を行ったところ, 顆粒球エラスターゼは全体的にranitidine群の方がfamotidine群よりも低値であり, 特に12時間後および5日後の測定値では有意差を認めた。またIL6も3日後, 5日後はranitidine群がfamotidine群より低値であった。術後のSIRSの期間もranitidine投与群の方が短縮していた。以上よりranitidineは術後の炎症性サイトカインを有意に抑制させることから, 術後のranitidineの投与は上部消化管出血の予防以外に, 術後SIRSからの早期離脱効果も期待できる可能性があるものと考えられた。

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