日本外科系連合学会誌
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特発性上腰ヘルニアの1例
小野田 恵一郎山田 恭司花井 彰野田 真一郎芦川 和広櫻井 丈山村 卓也山口 晋
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2003 年 28 巻 6 号 p. 1070-1074

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抄録

腰ヘルニアは解剖学的抵抗減弱部として知られる腰三角から発生する比較的稀な疾患である。今回われわれは特発性上腰ヘルニアの1例を経験したので, 本邦報告例の集計による検討を加え報告する。症例は78歳, 女性。左腰背部違和感を主訴として受診した。左腰背部に立位にて膨隆する, 易還納性の径約3cmの腫瘤を認めた。CT, MRI検査で上腰ヘルニアと診断し, 平成15年2月24日手術を行った。ヘルニア直上からのアプローチにより, 第12肋骨下縁・内腹斜筋後縁・仙棘筋前縁で形成されたヘルニア門を認めた。修復はメッシュプラグ法で行った。術後順調に経過し, 現在まで再発を認めていない。腰ヘルニアの原因としては先天性, 特発性, 外傷性があるが, 最近では高齢者の特発性腰ヘルニアが増加している。高齢化社会に伴い今後本症例が増加すると考えられ, 腰背部の諸症状を主訴とする場合, 本疾患を念頭に入れる必要があると考えられる。

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