日本外科系連合学会誌
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穿孔をきたしたS状結腸びまん浸潤型大腸癌の1例
坂口 大介石田 秀行横山 勝小高 明雄橋本 大定糸山 進次
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2004 年 29 巻 6 号 p. 1018-1022

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抄録

びまん浸潤型大腸癌が穿孔することはほとんど知られていない。非癌部口側穿孔を契機に診断された, びまん浸潤型形態を呈したS状結腸高分化型腺癌の極めて稀な1例を経験したので報告する。症例は75歳, 男性。便秘を主訴に近医を受診。緩下剤を処方されたが軽快せず, 2週間後に腹痛が増強したため近医を再受診したところ, 腹部単純X線写真でfree-airを認めた。大腸穿孔が疑われ当科紹介入院。緊急手術を施行したところ, びまん浸潤型S状結腸癌の非癌部口側穿孔による糞便性腹膜炎であった。S状結腸切除・口側人工肛門・肛門側粘液痩造設術を施行した。切除標本の組織学的検索では, 粘膜下層の腫瘍形成や強いlymphoid reactionを伴い, わずかに固有筋層に浸潤する高分化型腺癌 (stageI) であった。術後23カ月目の時点で再発を認めず, 腸管の再建を行った。

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