日本外科系連合学会誌
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メッシュプラグを用いた傍人工肛門ヘルニア根治術の1例
水谷 知央松友 寛和森 美樹丸井 努玉置 基継佐治 重豊
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2005 年 30 巻 2 号 p. 199-202

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抄録

症例は76歳, 男性。72歳時に直腸癌にてマイルズ手術を施行した。術後数カ月後より人工肛門周囲に膨隆を認めた。最近になり人工肛門部の膨隆と違和感を訴え, 立位にて小児頭大の膨隆を認めた。人工肛門頭側に約5cm大のヘルニア門を認め, 根治術目的で入院となった。再発や転移の所見はない。手術は全身麻酔下, 腹部正中切開で開腹した。腹腔内から観察すると人工肛門部頭側にヘルニア門が存在し, 直径5cmと大きく, 直接縫合による修復は困難と考えた。メッシュプラグを欠損部に挿入し, その上からソフトメッシュを逢着した。術後経過は良好で, 現在再発は認めていない。人工肛門造設後の合併症の一つとして傍人工肛門ヘルニアがあるが, 修復困難であったり, 再発率も高いとの報告がある。欠損部が大きく, 直接縫合困難な傍人工肛門ヘルニアに対し, Marlex(R) メッシュプラグ (Bard) を用いた修復術を施行した。感染に対しての工夫や注意をすることで, 簡便で効果的な結果が得られた。

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