日本心臓血管外科学会雑誌
総説
高齢者に対する冠状動脈バイパス術
真鍋 晋高梨 秀一郎
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キーワード: CABG, 高齢者
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39 巻 (2010) 5 号 p. 235-241

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抄録

これまでの高齢者に対する冠状動脈バイパス術(CABG)の基本戦略は主に1990年以前の報告に基づいており,75歳以上では手術リスクが高い(死亡率10%前後)ため,より慎重な手術適応が必要と考えられてきた.ところが,最近10年間の報告を見ると,高齢者のCABGの治療成績は飛躍的に向上している.欧米の臨床レジストリーをみると過去10年間で死亡率は約半減し,また大規模な比較試験では遠隔期成績におけるCABGの優位性はむしろ高齢者においてより顕著であることが示されている.またCABGの手術手技についても,off pump CABGの積極的な導入が短期成績をより改善する可能性が示され,遠隔期成績では若年者同様にITAの使用や完全血行再建がやはり望ましいことがいくつかの報告で示されている.このように現在は高齢者CABGの治療方針の再考の時期にあると考えられ,最近の報告を中心に,高齢者に対するCABGの現状を検討する.

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