日本心臓血管外科学会雑誌
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原著
AS に対する AVR における CEP Magna の術後早期弁機能
高橋 大輔島本 光臣山崎 文郎中井 真尚三浦 友二郎糸永 竜也岡田 達治野村 亮太阿部 陛之寺井 恭彦
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2011 年 40 巻 3 号 p. 81-85

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抄録

ASに対するAVRにおけるCarpentier-Edwards PERIMOUNT Magna(Magna)とCarpentier-Edwards PERIMOUNT(CEP)の術後早期弁機能を比較検討した.2005年1月から2010年5月に当科で施行したASに対する生体弁によるAVR(僧帽弁合併手術は除外)164例(Magna 68例,CEP 96例)を対象とした.これらの症例に対して術後2週間以内に経胸壁心エコーを施行し弁機能を評価した.全体の術後peak velocityはMagna群2.59±0.36 m/s,CEP群2.75±0.47 m/sとMagna群が有意に低かった(p=0.022).Mean PGでは両群間に差はなかった.弁サイズ19 mmにおいて術後mean PGはMagna群16.4±4.5 mmHg,CEP群19.7±6.4 mmHgと有意にMagna群が低く(p=0.034),peak velocityでもMagna群2.70±0.36 m/s,CEP群3.03±0.49 m/sとMagna群が有意に低かった(p=0.008).また有効弁口面積(EOA)でも19 mmでMagna群1.29±0.18 cm2,CEP群1.11±0.24 cm2 と有意に大きかった(p=0.007).他のサイズのEOAは21 mm : 1.46±0.23 cm2 vs. 1.42±0.18 cm2p=0.370),23 mm : 1.70±0.34 cm2 vs. 1.52±0.25 cm2p=0.134)とMagna群が大きいものの有意差は認めなかった.有効弁口面積係数0.85 cm2/m2 以下と定義するpatient-prosthesis mismatch(PPM)は,Magna群26.8%,CEP群47.2%とMagna群で有意に少なかった(p=0.018).ASに対する生体弁を用いたAVRにおいて,CEP Magnaの使用により有意にPPMが減少した.特に狭小弁輪を伴うASに対する生体弁でのAVRにおいてCEP Magnaは有用と考えられた.

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