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日本心臓血管外科学会雑誌
Vol. 41 (2012) No. 5 p. 231-234

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http://doi.org/10.4326/jjcvs.41.231

症例報告

症例は78歳,女性.平成16年8月軽度大動脈弁狭窄症合併の狭心症に対して右内胸動脈(RITA)-左前下行枝を含む3枝冠動脈バイパスを施行した.その後近医で経過観察されていたが,平成23年12月心不全を発症し,精査で大動脈弁狭窄症の進行が確認され,手術適応と判断した.冠動脈造影検査では全グラフトが開存しており,特に左前下行枝血流はRITAに依存していた.またマルチスライスCT検査ではRITAが第2肋骨レベルで胸骨後面に近接していた.RITA回避を徹底するため,右第2肋間開胸を加えた胸骨下半逆L字部分切開後,体外循環下に胸骨後面に沿い剥離を進め安全に再胸骨正中切開を行った.その後も内胸動脈の剥離は行わず,直腸温で22度まで冷却し上行大動脈を遮断,人工心肺回路内への塩化カリウム40 mEq注入による心停止後に大動脈弁置換術を施行した.本術式は冠動脈バイパス術後再心臓手術において,再胸骨正中切開時にRITA損傷のリスクが高いと判断される場合,有効な一術式と思われた.

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