日本心臓血管外科学会雑誌
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第51回日本心臓血管外科学会学術総会 卒後教育セミナー
弁膜症の心エコー図診断(負荷エコー含む)
向井 康浩中西 弘毅大門 雅夫
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2021 年 50 巻 5 号 p. 5-xv-5-xxi

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抄録

弁膜症における発生機序・重症度評価は心エコー図検査が重要な役割を担っており,2020年3月に改訂された日本循環器学会/日本胸部外科学会/日本血管外科学会/日本心臓血管外科学会合同ガイドラインの弁膜症治療のガイドライン(JCS/JATS/JSVS/JSCS 2020 Guideline on the Management of Valvular Heart Disease)1)でも,弁膜症診療における心エコー図検査はClass Iで推奨されている.また,2012年4月より新たに負荷心エコー図検査が保険収載されてから,安静時のみならず負荷時も含めた包括的な評価の重要性が再認識され,新たに多くの知見が得られている.臨床では僧帽弁狭窄症の頻度はリウマチ熱の発生率低下とともに低下しているが,大動脈弁狭窄症と僧帽弁逆流症の有病率は依然高く,特に大動脈弁狭窄症に対しては2021年1月に透析患者の重症大動脈弁狭窄症に対しても経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI ; transcatheter aortic valve implantation)が保険適応となるなど,いっそう弁膜症の包括的な評価の重要性が増している.

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