日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告[成人心臓]
外科的心房中隔欠損閉鎖術により内科的に制御困難な片頭痛が消失した1例
上田 遼馬阪口 仁寿岩倉 篤森島 学瀧本 真也小曳 純平杉田 洋介
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2022 年 51 巻 5 号 p. 291-295

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抄録

心房中隔欠損症(Atrial septal defect:ASD)の24.2%に片頭痛が合併すると知られている.経皮的カテーテル欠損孔閉鎖術(Percutaneous catheter closure; PCC)によるASD閉鎖は片頭痛を改善させるという報告が散見される.今回われわれは,外科的ASD閉鎖術を行い,内科的に制御困難な片頭痛が消失した症例を経験したので報告する.症例は46歳男性,頭痛を主訴に来院し,神経内科で片頭痛と診断されたが,内科的治療では片頭痛は改善しなかった.頭部MRIにて両側散在性の陳旧性脳梗塞を認め,経食道心臓超音波検査にて右左シャントを伴う静脈洞欠損型ASDを認めたため,奇異性塞栓症の可能性が疑われた.ASD閉鎖術を考慮したが,静脈洞欠損型ASDはPCC治療適応外のため外科的閉鎖術を選択した.PCC適応がないASDに対して行った自己心膜パッチによる外科的閉鎖術により内科的に制御困難な偏頭痛を消失させることができたため,ここにその有用性について報告する.

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