日本心臓血管外科学会雑誌
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Pulmonary valve dysplasia に対する手術治験例
箕輪 隆折田 博之乾 清重深沢 学中村 千春鷲尾 正彦
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キーワード: 肺動脈弁部分切除術
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1993 年 22 巻 6 号 p. 514-516

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抄録

症例は2歳6月, 女児, 生下時より肺動脈弁狭窄症を指摘されていたが, 圧較差が137mmHgに増大したため, 2回の balloon valvuloplasty を施行されたが, 63mmHgの圧較差が残った. 右室造影像では著明に肥厚した可動性のない filling defect とその中枢側に薄い弁尖を認め, 弁上狭窄と pulmonary valve dysplasia が疑われた. 完全体外循環, 心拍動下に肺動脈を切開すると, 狭窄の主体は肺動脈弁の弁縁に限局した dysplasia であった. 弁縁の部分切除のみで狭窄は解除され, 弁尖も大部分温存することができたため, 術後に肺動脈弁閉鎖不全を認めなかった. 弁縁部のみの dysplasia の症例はまれであるので報告した.

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