日本心臓血管外科学会雑誌
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心臓手術後早期における経口抗凝血薬治療の検討
ワーファリン投与開始量の決定について
橋本 雅史長田 鉄也工藤 龍彦石丸 新古川 欽一
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1994 年 23 巻 5 号 p. 321-327

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抄録
心臓手術後早期に0.1mg/kgのワーファリン単回投与を行い, 投与24時間のワーファリンおよびビタミンKの血中濃度の変化, 凝固系因子の変化について検討し, 術後早期における投与開始方法および投与量について検討を行った. 対象は心臓手術症例30例, 健常人20例を対照とした. 心臓手術後症例のプロトロンビン時間は, ワーファリン投与24時間後には中等度治療域に近い抗凝血効果が得られた. 一方, ビタミンK血中濃度はビタミンK1, ビタミンK2ともに心臓手術後群は対照群と比較して低値を示した. 両群間の抗凝血能の差は肝細胞におけるビタミンK供給量の差異が大きな要因と考えられた. したがって心臓手術後のワーファリン開始量によっては, ビタミンKの欠乏状態に応じ, 急激に凝血能の低下する危険性が示唆される. 心臓手術後早期のワーファリン開始量は0.1mg/kg程度より開始するのが安全かつ有効な方法であると考えられる.
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