日本心臓血管外科学会雑誌
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高齢者 (80歳以上) 腹部大動脈瘤の外科治療
石川 進大谷 嘉己相崎 雅弘大滝 章男佐藤 泰史川島 修鈴木 政夫長谷川 豊小谷野 哲也森下 靖雄
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1994 年 23 巻 6 号 p. 381-384

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抄録

80歳以上の腹部大動脈瘤の手術成績を80歳未満症例と比較検討した. 80歳以上症例の緊急手術例は8例中7例 (うち破裂瘤は4例) で, 80歳未満症例の36例中6例 (うち破裂瘤は4例) に比べて緊急手術が多かった. 術前合併症は, 80歳以上症例の50%, 80歳未満症例の68%にみられた. 大動脈瘤径6cm以上の症例は, 80歳以上症例の75%, 80歳未満症例の62%を占めた. 破裂瘤では, 両群ともにすべて6cm以上であった. 術後合併症は, 80歳以上症例の5例 (63%) に発生し3例が死亡, 80歳未満症例では4例 (17%) に発生し, 脳梗塞の1例が死亡した. 破裂瘤の病院死亡率は, 80歳以上症例では75%と, 80歳未満症例の25%と比べて高かった. 80歳以上では破裂例の手術成績が不良であり, 瘤径の大きい例では早期手術と術後合併症の予防が重要と考える.

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