1995 年 24 巻 6 号 p. 380-383
閉塞性動脈硬化症による右浅大腿動脈閉塞に対して, 右大腿-膝窩動脈バイパスを施行後7年めに総大腿動脈急性閉塞をきたし下肢切断術を施行した. 術後1週目より発熱, 紅斑, 下痢が出現し, その後著明な白血球減少, 血小板減少を呈し死亡した. 患者には術後貧血のため輸血を行ったが, 保存血を使用したにもかかわらず皮膚生検にてGVHDが疑われた. 通常GVHDは新鮮血輸血後に認められ本例のように保存血が原因となることはまれである. 文献的考察とともに本例における発症の要因について検討した.