日本心臓血管外科学会雑誌
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Stanford A型大動脈解離に対するリング付きグラフト内没法の近接・遠隔成績
迫 秀則葉玉 哲生森 義顕重光 修宮本 伸二添田 徹吉松 俊英和田 朋之内田 雄三
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1996 年 25 巻 6 号 p. 350-353

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抄録

1984年から1994年までに58例の Stanford A型大動脈解離を経験したが, このうち1985年から1991年の比較的初期のころの9例に対しリング付きグラフト内挿術を行った. 9例中3例を術死で失ったのに対し, その他の方法による49例では10例の死亡であり, リング付きグラフト内没法のほうの成績が悪かった. 生存6例の術後造影においても解離の残存が5例にみられ, 満足すべき結果を得たのは1例のみであった. リング付きグラフト内没法は手術手技が簡便で手術時間が短くて済むとされているが, すべての症例に行える術式でなく entry の閉鎖が確実に行えるとはかぎらない. したがって現在は, Stanford A型解離に対してはグラフト置換術を第一選択とし, entry が上行にあれば上行置換を, 弓部にあれば上行弓部置換を行い, より根治的で確実な手術法を行う方針としている.

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